« ヤラセやんか・・・ | メイン | 家庭菜園禁止令が発令かも? »

2013年3月19日 (火)

孫崎享氏の視点ー(2013/03/18)

★孫崎享氏の視点ー(2013/03/18)★ :本音言いまっせー!

17日付読売新聞は「TPP「評価」60%、内閣支持72%」と報じた。
同日付毎日新聞は「TPP参加支持する」との回答は63%と報じた。

世論調査にはさまざまな問題があるが、その数字を正しいとしよう。
基本的に見事な世論工作の成功である。

安倍首相が断固聖域を守ると述べた時、多くの国民はそれを
信ずるのであろう。
一つ一つ検証していけばおかしいのだ。明々白々おかしいのだ。
大手メディアが一斉にTPPの方に誘導する時、人々は疑うという品のない
ことはしないように教育されているのであろう。

私達は原発で安全神話が嘘であることを知った。
嘘を述べてきたのは、政治家、官僚、マスコミ等、信頼にたる発言をする
人々であった、その人々は多くの国民が原発の危険性を認識した中でも、
依然として再稼働へ向け発言している。
これらを見て、国民は権威ある人々、大手マスコミの報道が虚偽、
詭弁であることを学んだと思った。

 でもそうではないらしい。

昨日は昭和二十一年八月『映画春秋』に掲載された伊丹万作氏の
騙される論評を見た。

「多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。
日本人全体が夢中になつて互にだましたりだまされたりしていたのだろう。
だまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中に
あるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、
思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるように
なつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任など
が悪の本体なのである。

だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も
何度でもだまされるだろう。」

この記述に、いたく感動した。

こんなに洞察力のある人がいたのかと感心した。
そして多くの国民がこういう考えを持っていると、ついつい錯覚した。

私は、考えてみれば随分ツイッターや、ニコニコ動画などで
TPPを発言した。

そして、本を見ても、ついTPPに反対の人のものに目がいく、
頑張っている人が多いと思った。
しかし本は売れてもせいぜいが数万部の単位である。

私も発言している中で、ついつい多くの読者がいると錯覚した。
考えてみれば私のツイッターのフォロアーは6万人である。
多いと思ってみたが、テレビの視聴率に換算すれば0.0の世界である。
影響が出てくるはずがないのだ。

自分が真剣に発信しているから、真剣にみている人が多いと完全に
錯覚していた。

 無力なのだ。

安倍首相がTPP参加表明の方針が新聞に出始めてから、かつてTPPに
反対の姿勢を示していた人々やグループが反対の意思表示を緩め始めた。
主流から外れる、それに怖さを感じているのであろう。 
無力を今一度確認した上で、どうしたら様のだろう。

まあ、意味がなくとも、まあ、せっせせっせとキーボードを叩いていくか。
気力が萎えるのは体調のせいなのかな。
ついつい地方での講演を多く引き受けて、体調を壊している。

切ないです、これは・・・・。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.enjoy.jp/t/trackback/534731/31269139

孫崎享氏の視点ー(2013/03/18)を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿