貴金属だけが頼りの逃避行
NHKのOBが母親の介護とその戦後を追うドキュメント番組を、
深い感動をもって観ました。
戦場を生き抜いた父母達の戦後は
私達のそれとは比べようもないほど過酷だったでしょう。
昭和21年9月満州から
若い母が3人の幼子をかき抱いての脱出帰国の旅。
現金が紙屑となった為、
下着に縫い込んだ貴金属だけが逃避の資金だったそうです。
やっと引き上げ船に乗船できるか?という矢先、
同じ日本人達に囲まれ
「お前はなぜ、子供をおぶる中国人が雇えるのか、貴金属を隠してるのか?」
詰問され荷物を調べられた。
長男の私の僅かの油断でリックを誰かに盗まれ、ひもじさに耐えねばならなかった。
みんな引揚者は逃避にさいし、
中国人に子供を託さざるをえなかったのです。
そして敢然として幼子3人を決して手放さなかった母を
今介護の末おくった・・・・・・・。
このような事はあまりに多くの方々に共通の物語でしょうね。
今また、預金や年金が紙屑となり貴金属の時代に逆流することが
絶対ありませんように。
私の母は92歳になりますが、終戦直前に兄嫁と共に陸軍少尉だった兄を訪ねています。
蒋介石や毛沢東の勢力が増す最中の情勢で、
20歳そこそこの娘二人旅が何事もなかったのが不思議。
もっとも敗戦を周知していた兄は喜びも束の間、
すぐさま帰路の手配をし、遠路の二人を追い返したそうです。
高級役人や企業人はいち早く帰国。
やがて軍隊は転進?
取り残されたのは一般人と下級兵隊たちだけ。
いま頼りになるのは貴金属だけの時代が再び???
ありそうな・・・。
コメント