奇跡の牛達よ
平成19年4月11日付 山陽新聞より
今も社会に希望
人の心をとらえ続ける“奇跡の子牛”―。9年前の台風で、岡山県北から瀬戸内海まで濁流に流されて助かった雄牛の「元気君」。9歳になった今も人気は衰えない。おかやまファーマーズマーケット・ノースヴィレッジ(岡山県勝央町岡)の牛舎では、逆境を乗り越えた姿にあやかろうと、家族連れらがさまざまな思いを託している。
元気君は生後約6カ月の1998年10月、台風10号による大洪水で、津山市の牧場から吉井川を流されたが、約90キロ離れた岡山県牛窓町(現瀬戸内市)の黄島に漂着し50数時間ぶりに救助された。奇跡の生還は反響を呼び、歌や絵本の題材にもなった。
普通なら2歳前後で肉牛として出荷されるが、元気君は災いが転じて命拾い。人間なら50歳すぎという今は体高約1・6メートル、体重約950キロに成長。温厚な性格で、験担ぎに体を触る人たちをそっと見つめる。
「苦境を克服した分だけ普通の牛にはない“オーラ”がある。先が見えない現代社会で、元気君は人々に勇気や希望を与えてくれている」と上林登美雄支配人。
大ファンで、月に3回は会いに来る津山市杉宮、会社員鈴木ひとみさん(20)は「嫌なことがあっても、たくましくて優しそうな瞳を見ていると癒される。長生きしてほしい」と願っている。(松島健)
今回の津波でもさらわれた牛たちが、戻ってきたというニュースが
聞かれます。
外の雨音を聞きながら当時、現役だった頃を想いだしています。折しも会社が請け負うM市下水浄化施設を施工中の台風10号でした。午前中現場視察を終え、夜半には台風の直撃もあると現場所長と係員2名は現場事務所に待機することに。岡山への帰路も猛烈な雨でした。夜半心配してたY川の氾濫がおき、半地下の現場は完全に水没してしまいました。
早朝のTVでY町の低地にある市営住宅が冠水し、平屋建の屋根を破り、辛うじて脱出されたかたもいたという報道も。その後、現場では排水作業に1週間もかかりました。そうか、あのとき流された牛が今も人気者か・・・・。
そういえばいつの頃だったか、岡山市の無人島高島で子犬を産んだ母犬が毎日500メートル以上はある海峡を泳ぎ渡り、エサをもらい、母乳を飲ませに戻る・・・。これも報道され、どこかの感激家に母子とも引き取られたとか。
この台風で大きな被害がでませんように、祈っています。
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